その絵に。
そして、私は彼の練習姿をこっそり眺めていた。

そこには風のように走る姿―。が、なかった。
足…遅いんだけど…。

お世辞にもカッコイイとは言えない…。

なのにどうして、あの人、部長なんだろう?

とか考えてたらさ、なんか―。
気が付いたら…、あれ?
日が傾いてるじゃん。

今日、私…。
何してたっけ?
…彼見てただけだ・・・。

なにこれ?

…。

何も進んでない絵と、綺麗なままの道具が証拠といわんばかり置いてある。

…こんな日もあるよね…。

頭の中でそういう結論を出した。

片付けを済ませ、マイコを待つ。

「クミ。」

マイコが来た。

二人の帰り道、今日の話題はもちろんあのコト。

< 8 / 18 >

この作品をシェア

pagetop