腐臭
記憶
頭の奥に鈍い痛みが残っている。

口の中が切れていて、血の味がする。

暗い。視界に入ってくるものが、薄暗く、はっきりとしていない。

それでも、目が徐々に暗闇になれてくる。

どこかの部屋のようだった。

マンションの一室だろうか。

白い壁に囲まれた部屋。

テーブルもテレビもない。

フローリングの床の上に、新しいペットボトルの水が三本置いてあった。

私はペットボトルの口を開けて、ノドを鳴らして飲んだ。

すごくノドが乾いていた。

水を飲み終えて、自分の服装を確認した。

制服。

頭が痛い。

手で頭に触れてみると、べトリとした嫌な感触があった。

後頭部から出血があるようだ。

出血は止まりかけているようで、赤黒い血がかたまりかけていた。


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