DEATH MAGIC





『いっっ…たぁ…』


「小娘ッ!!」


【…お前ッ……】






恭に向けられた針は、凜の腕と足に刺さった。



ツゥッ―――と、生あたたかい血が滴る。






『恭ッ…大丈夫ッ…?』


【お前ッ…なんで俺をッ…】


『だって…相棒やんっ!あたしらっ!!』






恭は目を丸くさせ、そして下を向いて「へっ…」と小さく笑い、あたしの傍に来て、傷口をなめてくれる。






『わ゙っ…恭の舌ザラザラしてるーちょっと痛い…』



【猫やでしゃーないやろ。我慢せぇ】






そう言って、恭がなめてくれた後、傷を見ると…傷はほとんど治りきっていた。







『えーっ!!なにこれ!すごーい!!』



【…俺には治癒能力があるんや】


『そーなんっ!?さっっすが恭やな!』





あの嬢ちゃん…

あの凶暴で頑固な恭を…


この短時間で手なずけよった…




シュラが驚いている矢先で、ディガオールがイライラと8本の足を震わせる。






《てめーら…さっきからよぉ…俺を忘れてねーかぁ…?》



『!!!』
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