DEATH MAGIC
「「…裕黎(ゆうり)やで」」
『裕黎…くん?』
「「そ。…よろしく。凜ちゃんっ。…じゃ」」
凜に背を向けたまま、片手をあげて、暗闇の中に裕黎という男は消えていった。
「「…本城 凜…か。」」
ニヤッ…と笑って、林の中を歩く。
そこに、さっきのトラがシュッ―――と現れた。
{…あれが例の…?}
「「…あぁ。」」
{…なぜ殺さないのです?}
「「簡単に殺しちまったら、おもんないやろ?(笑)」」
…不気味な風が吹く中、小さく笑う男の隣には、4つの黒い影がついていた。
その男は、林を抜けると同時に、黒い影とトラと共に、どこかに消え去った…。