DEATH MAGIC
―――その頃、凜はまださっきの場所にいた。
裕黎くん…?
なんか…不思議な人やったなぁ…。
でも助けてくれたし……味方…やんな?
シュッ―――――
すると突然、黒い影が目の前に現れた。
驚いた凜が声をあげた。
『きゃぁあぁっ!!怪物―――っ』
「あほかっ!!誰が怪物じゃいっ!!」
目を覆った凜は、聞き慣れた声を聞いて、目から手をどけて、そのイライラしてる男を見上げた。
『…カイっ!!』
「てめー!!俺らになんもゆわんと帰りやがった上、俺の約束をすっぽかし、家にもおらんっ!!んで暗なっても帰ってこん!!最終的には俺様に探しに来させるたぁ…」
『ごっ…ごめんなさーいっ!』
顔をひきつらせて怒っているカイに頭を下げる。
ざぁ―――っ…
「…!!!」
…辺りに残った妖気を、風と共に感じ取ったカイ。
更に、凜の頬についた緑の液体を指で拭いとった。