DEATH MAGIC




どーしよっ…

言い過ぎたかなっ…





「…大丈夫だぜ。いつもあんなんだし」


『…でも……』





…それでも心配するあたしを見て、ライは、ふっ…と笑って、あたしの頭にポンッと手を置いた。



顔をあげると、ライが優しい笑顔を向けてくれていた。





「…カイなぁ。悪い奴じゃねーんだよ。あーやってすぐスネっし…喧嘩っ早いし、不器用だけどさっ」





…ライが、カイの過去の話をしてくれた。







カイの家は、カイと両親の3人暮らしだった。




カイの父は…会社をクビになってから酒飲みになり、母に暴力を奮い、父の借金が返せず、いつも借金取りが来ていた。




カイは、そんな父親が許せなかった。




父から母を守るために…


いつも父に反抗し、時には喧嘩もした。



母は、カイと父の争いを見るたび、泣いていた。



「ごめんなぁ、ごめんなぁ」って、ずっと言っていた。


それでも母は、辛いはずなのに離婚はしなかった。




「お父さんも辛いから」って言って、母のことを宥めるカイを宥めた。



カイは、どうすることもできなかった。
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