DEATH MAGIC
カイは、バットを捨てて、家に帰った。
「お袋…仇…うったで…」
それを、母に伝えたかった。
部屋に入って、横たわっている母に呼びかける。
「お袋…なぁ。俺な…」
母の手は…冷たかった。
「…おい…やめろやっ…なにふざけとんねん…なぁ!!生きてんねろ…?なぁ?死んでへんやんなぁ?」
{死んでいる}
上の方から、声が聞こえた。
「…はぁ?」
{お前が人を殺したからだ}
その低く太い声の威圧に押され、身が震える。
「誰やねん!!なんでお袋が死んでんねん!!」
{…閻魔だ。人間ならよく知っておろう。…お前が多くの人物を殺したから、わしがそこの者を殺した}
「……っでやねん…」
ガァンッ!!!
カイが足元の机を蹴っ飛ばし、上に向かって叫び散らした。
「なんっでやねん!糞がぁっ!!なら俺を殺せよっ!!なんでお袋やねん!!!」
…見えもしない声の主に、カイは怒りをぶつけ続けた。
家中の物を殴り飛ばし、蹴り壊した。
…泣き叫びながら。
―――気づけばカイは、死神になっていた。