きらり
自分は同じ女性でありながら、自分とは遠い種類の彼女を、どうしても気にしてしまう。

彼女……自分は彼女をこっそり『華子さん』と呼んでいる。

彼女にピッタリの名前だと思う。

自分が華子さんを意識するようになったのは高校に入学して電車で通うようになって二週間も経たないくらいだった。

いつも同じ場所に華子さんは立っていた。

時にはケータイでゲームをしていたり、時には小説あるいはマンガを読んでいたり、時にはヘッドホンで音楽を聴いていたり。

それでも華子さんは毎朝電車の同じ場所に立っていた。


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