今を楽しめ!青春!
ONE
友達なんていらない。
友情なんて信じた方が負け。
「冷めた女」
これが、前の学校でついた私のイメージ。
「田村嘉子です。兵庫県から来ました」
中学3年の5月。
今日、私は新しい学校に転校した。
こんな時期に転校したら絶対友達なんて出来ひんやろな。それか、珍しい物見るように、皆集まって来て人気者か?
んな訳ないか!
だって、私の今の格好は凄く地味。スカートは規定丈、シャツはイン。靴下は白ハイソやし、黒髪に眼鏡。クラスで友達がいなさそうな、がり勉風生徒を演じている。
こんな地味な奴、誰も話し掛けてこんやろう。その方が、私には好都合やし、ええねんけどな。
「増野さん、手あげて! 増野さんの後ろに座ってね」