Slow Magic ~星が見守る愛~
大好きなアイツの家へ…
まだ一度も使ったことのない合鍵を使って、隆介の部屋へ入る。
締め切った部屋からは、隆介の香水の匂いとタバコの匂いが混ざった匂いがした。
『勝手に入ってろ!』
また保護しちゃうメール…
彼女っぽいことがしたくて、洗い物なんてしちゃう私に隆介はなんて言うかな?
朝食べたであろう隆介のパンの残りや、少し残ったマグカップの中のコーヒーまでもが愛しいよ。
誰に見られてるわけでもないのに、私の行動範囲はかなり狭い。
キッチンからソファまでの距離を何回か歩く。
隆介の帰りを待つ間、こっそり覗いた寝室。
無造作に転がるスウェットの上下を、さり気なくたたむ。
さり気なくないよね…
かなり痛いよね、私。
でもいいんだ。
格好悪くてもいい。
隆介の彼女として、何かしたくて仕方がない。
床に落ちた羽毛布団をベッドに乗せる。
きゅん……
布団が私の鼻を刺激した。
隆介の匂い。
布団から隆介の匂いがしたんだ。
それだけで私の呼吸は乱れるんだ。
想像しちゃった…
いつか、このベッドに隆介と美亜が並んで眠る日が来るのかなって…