Slow Magic ~星が見守る愛~


大好きなアイツの家へ…


まだ一度も使ったことのない合鍵を使って、隆介の部屋へ入る。



締め切った部屋からは、隆介の香水の匂いとタバコの匂いが混ざった匂いがした。



『勝手に入ってろ!』


また保護しちゃうメール…




彼女っぽいことがしたくて、洗い物なんてしちゃう私に隆介はなんて言うかな?


朝食べたであろう隆介のパンの残りや、少し残ったマグカップの中のコーヒーまでもが愛しいよ。



誰に見られてるわけでもないのに、私の行動範囲はかなり狭い。


キッチンからソファまでの距離を何回か歩く。



隆介の帰りを待つ間、こっそり覗いた寝室。


無造作に転がるスウェットの上下を、さり気なくたたむ。


さり気なくないよね…


かなり痛いよね、私。



でもいいんだ。


格好悪くてもいい。




隆介の彼女として、何かしたくて仕方がない。




床に落ちた羽毛布団をベッドに乗せる。



きゅん……




布団が私の鼻を刺激した。




隆介の匂い。



布団から隆介の匂いがしたんだ。



それだけで私の呼吸は乱れるんだ。





想像しちゃった…



いつか、このベッドに隆介と美亜が並んで眠る日が来るのかなって…



< 124 / 373 >

この作品をシェア

pagetop