Slow Magic ~星が見守る愛~
『お前、見たんだろ?』
溜息交じりに隆介が言う。
隆介、どうして?
気付いてた?
あの公園で私が見てたこと知ってたの?
『…どう…して?』
消えそうな声をきちんと聞き取ってくれる。
『どうせそんなことだろうと思った。あの日、お前に何度電話しても出なかったし、様子が明らかにおかしかった。バイトの後輩から、店の前に女がいたって聞いたからお前じゃないかって思ってた。』
黙り込む私に、隆介は何度も『ば~か』って言ってくれた。
私の気持ちが落ち着くのを待ってくれるかのように…
『ごめんね…勝手に見て…黙ってて。』
『俺こそ、やなもん見せて悪かった。信じてもらえないかも知れないけど…あれは本心だから。』
また新たな隆介を見れた気がした。
悪かったって言った隆介は、とても優しい声…
でも、本心って…
よけいへこむんですけど…
鈴子が本気で好きだったってこと?
『やっぱりまだ好きなんだね…鈴子さんのこと。』
涙よりも鼻水が先に出てきた。
こうしてる間にもどんどん隆介を好きになってた。
『はぁ?お前、バカじゃねぇの?マジで今隣にいたらおでこ叩いてんぞ!』