Slow Magic ~星が見守る愛~
急に声が高くなる隆介。
『…美亜、お前俺と鈴子の話、どこまで聞いた?』
涙が冷たい。
窓から吹き込む風のせい。
『あまりにも、隆介が真剣だから…辛くて途中で逃げた。あんな隆介見るのやだもん…』
鼻水と涙でぐしょぐしょになった私は窓を閉めて、ベッドに座る。
『はぁ………それで、よく俺の彼女になったな!普通の女なら、ふざけんなって俺を殴るだろ?』
『だって…隆介が…準備できたって言ったから・・・けじめつけて…私のとこ来てくれたから・・・嬉しくて・・・ 私、失恋したと思って・・・髪切って・・・でもやっぱり好きで、片思いでもいいから、隆介のそばにいたいって思ったんだよ・・・』
涙が止まらなくて、ちゃんと伝わったのかもわからない声。
『やっべぇ…マジ、今……美亜のこと抱きしめたいよ…』
また永久保存したい言葉…
『俺、確かに鈴子に好きだったって言ったけど、あの後…これからは美亜と…』
そこまで言うと、電話の向こうで何やらガタガタと音がした。