Slow Magic ~星が見守る愛~


テーブルの上の紙袋を見つめたままの私は瞬きをするのも忘れてた。


隆介に会いたい。


会えばこんな不安消えちゃうんだから…




健太が悪いんだ。


きっと健太は甘いんだ、鈴子に。


鈴子が好きだから鈴子の行動を怒ったりしないんだ。



もっと、ちゃんと鈴子を捕まえててよ…


昔好きだった男のエプロン洗う彼女をどうして許せんの?

健太は隆介に負けないくらいかっこいいじゃん…


鈴子はあんな彼氏いるのに、隆介も欲しいの?



頭の中では

またあの日の隆介の声が何度もよみがえってきた。



『鈴子、好きだったんだ』



『待てよ』



『ちゃんと話聞いてくれ』




必死な隆介の顔。







過去は過去。


消えない事実。




仕方がないのはわかってんのに、鈴子の影がちらつくたびに

苦しくて 悲しくて 嫉妬で狂いそうになるんだ…




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