Slow Magic ~星が見守る愛~
ガチャガチャ…
「美亜~!ただいま!!」
私の気持ちも知らないで、隆介は上機嫌で靴を脱ぐ。
私はおかえりも言えず、ただ隆介の体にしがみついた。
隆介のぬくもりを感じないと
泣きそうだったから…
不安で不安で
怖くておかしくなりそうだったから。
「どしたんだよ…いきなり俺を襲う気?」
隆介は、鞄を乱暴に床に投げ、私の頭を軽く叩く。
そして、抱き締めてくれた。
「りゅう・・す・・・け… 抱いて…」
私は普段なら言えないような言葉を発してた。
自分でも自分が止められなかった。
ドラマの主人公になったような気分で、現実感がなかった。
現実に引き戻してくれたのは隆介の一言…
「やだよ。お前、泣いてるから。」