Slow Magic ~星が見守る愛~
「チョコ、食べたい…」
私は消えそうな小さな声で言った。
「食いたいならこっち来れば?」
隆介はマグカップにコーヒーを注ぐ。
私は、言われるがまま。
トコトコと歩いて冷蔵庫の中からチョコを出した。
「食べる?隆介…」
隆介の顔を覗き込むと隆介はマグカップを持ち、ソファへと移動した。
「待ってよ~!呼んだから来たのに!!」
隆介はソファに座り、コーヒーを冷ましながら私を見ようともしない。
「俺、今チョコ食う気分じゃねぇ…」
演技?
本気?
不機嫌そうにコーヒーを飲みながら、ため息なんかつくんだ。
「俺の気分、変えてみろよ!」
その目が好き。
悪そうな目で、睨まれると…
私は動けなくなってしまう。
隆介の魔法にかかって、ただただ隆介の言うことしか聞けなくなっちゃうんだ。