Slow Magic ~星が見守る愛~
「どうかしましたか?大丈夫かい?」
声をかけてくれたのは背中の曲がったおばあさんだった。
大丈夫かと聞かれるのも無理はない。
私ったら携帯を胸に抱きしめたまましゃがみこんで泣きそうになってた。
「お腹痛いのかい?」
優しい声と笑顔に、私の心が温かくなった。
「いえ、大丈夫です!!すみません。ありがとうございます!」
私が笑顔でそう言うとおばあさんは頷いて、細い路地の方へ歩き出した。
隆介の実家の斜め向かいにある細い道の奥には大きな古い家があった。
おばあさんはその家の門をゆっくりと押した。