Slow Magic ~星が見守る愛~


「ゆうちゃんって今どこにいるんですか?」


その質問にもおばあさんは首を横に振った。

風が冷たくなってきて、おばあさんが咳をしたので私は話をそこで止めた。



「本当にありがとうございました。実は…隆介君のお母さんに会いたくて探してたんです。」


「そうかい…またおいで。何も力になれんが…いつでもおいで。」



おばあさんは目を細くして、笑って手を振ってくれた。


次は隆介を連れてここに来ようって思った。


それから、『ゆうちゃん』の住んでいた家の周りを何度か歩いてみた。


ここにゆうちゃんの家族がまだいたなら、隆介のお母さんと連絡を取っていたかも知れないんだ。


いつ引っ越したんだろ…



隆介のお母さんに少し近付いたような気持ちになって嬉しかった。

そして、隆介の小さい頃をよく知っているおばあさんとの出会いは、私を安心させてくれた。


隆介の成長を見守ってくれていたおばあさんの存在が、すごく嬉しかった。



隆介は、ここで生きてたんだなぁ…と

ゆっくりと駅までの道を歩いた。


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