Slow Magic ~星が見守る愛~


隆介の怒鳴り声が、胸に突き刺さる。


いつかの姿が甦る。



鈴子を必死で呼び止めたあの日の隆介…


「今はだめだって言ってるだろ!彼女といるから。」


こんな状況でも『彼女』って響きにときめいてる私がいる。


健太が隆介に怒ってることはわかる。

その理由が、何なのか…



それも想像できる。


わかりたくなんてないのに、わかってしまう。



涙が出る。

カーテンを開けて、窓の外を見ると…またきれいな星が見えた。


そっとしておいて。

お願いだから、邪魔しないで…


私と隆介は、愛し合ってるんだから…


ほっといてよ。

健太も鈴子も…もうどっか行ってよ。



隆介の気持ち、これ以上乱さないで…




また…


どっか行っちゃうの?



隆介は…


また、鈴子の腕を引っ張るの?



もう見たくないよ…


もう、隆介は過去から卒業したんだから、もう思い出させないで…




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