Slow Magic ~星が見守る愛~
「隆介、変わったよ。きっと、君のおかげだね。昔のあいつなら、きっと殴り合いのケンカになってた。でも、あいつ俺が殴ったのに、手を出さなかったんだ。」
殴られたなんて、知らなかった。
顔に傷もなかったし…
「健太・・・さんは、鈴子さんのこと、まだ好きなんですか?」
失恋したばかりの人に言うセリフではなかったかもしれない。
健太は、また爽やかに笑いながら答えた。
「あははは・・・多分、一生好き・・・かな。」
私自身を見ているような気がした。
健太は、きっとずっと不安だったんだ。
鈴子が昔隆介に恋をしていたことも知っているんだね・・・
不安だけど、
鈴子が好きで・・・ずっと傍にいたくて、
物分りのいい彼氏を演じてたんだ。
「隆介が言ってたよ・・・彼女失いたくないから、もう関わりたくないって。今までのあいつなら、すぐに鈴子のとこ言って、相談乗ってたんじゃないかな・・・今までもそうだったから。」
健太が言ってくれたことの中に、嬉しいことと悲しいことが両方含まれていて、自分の感情が戸惑っていた。
彼女失いないたくないなんて言ってくれたこと・・・すごく嬉しい。
だけど…
2人に何かあると、いつも隆介が鈴子の相談に乗っていたんだってことを知って、少しまた悲しくなった。