Slow Magic ~星が見守る愛~
「美亜…できた??」
私の背後から甘えた声を出す隆介。
帰り道、近くのスーパーでたまねぎとピーマンを買った。
「ねぇ、ベーコンない?」
「ん?ウインナーならあるぞ。」
さっき悠亜さんから聞いたナポリタンを
作ろうと思った。
美味しくできる自信はなかった。
でも、愛情だけはたっぷりだから。
「まだぁ?」
まだたまねぎを炒めている私の腰に手を回す。
そして、炒める私の手の動きに合わせて体をくっつけてくる。
「隆介…邪魔だよ。あっち行ってて。」
本当はくっついてくる隆介にドキドキしてた。
甘える姿がかわいくて、仕方がない。
「やだよ。俺、美亜と離れたくね…ぇ…」
え??
小刻みに震える体。
ガスの火を止めて、隆介の顔を見た。
泣いてる?
泣いてる…
隆介が
私の腰に手を回したまま、下を向いて
泣いてたんだ。
「マジ…ありがとな…美亜…俺の、為に…」
隆介の為にお母さんを探していたのかどうかわからない。
ただ、隆介の役に立ちたくて…
隆介に喜んでほしかっただけなのかも知れない。
「絶対…見つかるよ、お母さん…」
私の声を止めた、隆介の唇…
泣きながらのキスは
とても情熱的だった。
目を閉じることができなかった。
隆介の綺麗な瞳に溢れる涙を
少しでも長く見ていたかったから…