Slow Magic ~星が見守る愛~
「あ・・・これ、クリスマスプレゼント!笑うなよ・・・」
ポケットから出された小さな箱。
ゆっくりとその箱を開ける。
子供たちのはしゃぐ声と、
ニセモノサンタさんの歌声。
肉まんの香りと、隆介が火をつけたタバコの匂い。
「あ・・・時計だぁ!!」
偶然にも、隆介が私に用意してくれていたプレゼントは
腕時計だった。
「笑うだろ?俺、びっくりしたもん!しかも、同じ色だしな・・・」
寒いのに温かい隆介の手で、私の腕に付けられた白い時計。
私が選んだ白い時計より、ずっと女らしくて、
まだ私には似合わないくらい大人っぽい時計。
いつか、
この腕時計が似合うような女性になれるといいな。