Slow Magic ~星が見守る愛~



「あ・・・これ、クリスマスプレゼント!笑うなよ・・・」


ポケットから出された小さな箱。

ゆっくりとその箱を開ける。




子供たちのはしゃぐ声と、

ニセモノサンタさんの歌声。




肉まんの香りと、隆介が火をつけたタバコの匂い。








「あ・・・時計だぁ!!」




偶然にも、隆介が私に用意してくれていたプレゼントは


腕時計だった。




「笑うだろ?俺、びっくりしたもん!しかも、同じ色だしな・・・」



寒いのに温かい隆介の手で、私の腕に付けられた白い時計。



私が選んだ白い時計より、ずっと女らしくて、


まだ私には似合わないくらい大人っぽい時計。




いつか、


この腕時計が似合うような女性になれるといいな。



< 370 / 373 >

この作品をシェア

pagetop