Slow Magic ~星が見守る愛~


『お前こっちだろ?』



最初のその一言が懐かしい。


それから始まった私の片思い。




なかなか掴めなかった心。


だけど、もうしっかり掴んだから、離さないよ。




『準備できたから・・・』


なんてわかりにくい告白をされて、それからゆっくりと動き出した恋。




わかりにくい奴だけど、すごくわかりやすいとこもあって、


憎たらしいのに、かわいかったりして、一生飽きないよ。





「一緒に暮らそうぜ・・・明日から。」


聞きなおした私の唇を強引に奪う隆介。


タバコの匂いの残るキスで、私の心に魔法をかける。





目を開けたときには、


隆介の鼻の頭に真っ白い雪。




いいよってこと?



お父さん、同棲のお許しの『雪』なの?

ねぇ、お父さん。


本当にいいの?




隆介は、雪の舞う夜空に向かって微笑んだ。




どこまでも続く空に


誓うよ…




私は 隆介を 一生愛してる…


星空に見守られながら、ゆっくりとゆっくりと


歩いていくよ。



いつまでも


見守っていてね…





「泣くなよ、泣き虫…」


隆介の手が私のおでこを突っついた。




これは、隆介を好きになる魔法・・・







見上げた夜空から、大きな雪が


私達の上に降りてきた。






握り合う手と


触れる唇の温もりが



永遠の愛への 魔法…




  ~END~











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