Slow Magic ~星が見守る愛~
MAGIC7【スローな恋】
バイトの誘い
昨日の深夜に美菜ちゃんからのお誘いメール。
今朝は、一緒に通学する約束をした。
思った通り、社交辞令でメアド交換じゃなかった。
朝からどんよりとした曇り空。
今にも雨が降り出しそうな天気だった。
湿気の多い日の満員電車はいつもの100倍気持ち悪い。
美菜ちゃんは私より一つ前の駅から乗ってるんだ。
2両目の一番前の扉。
ワクワクしながら列に並ぶ。
たくさんの人がどっと電車から降りてくる。
降りる人の気持ちなんて考えずに、なかなか動こうとしない中の人。
押されながら、鞄を持っていかれそうになる高校生。
どこにいるんだろ。
美菜ちゃん…
あ!!
たくさんのおじさんの中に埋もれてる小さな笑顔を発見!
必死で手を上げる美菜ちゃんの元へ…
んん…
思いっきりオヤジの背中を押してやる。
ググググ…
美菜ちゃんが私の手を引っ張ってくれて、なんとか近づけた。
前に立つオヤジの背中には汗がビットリ…
美菜ちゃんと顔を見合わせて、口の動きだけで…『キモ!』と笑い合う。