Slow Magic ~星が見守る愛~
「合鍵渡したからには、たまには飯作れよ!」
からっぽになったコーヒーカップをキッチンに運ぶ隆介は、そんなセリフでまた私の胸をときめかせる。
私、バカなんだ。
早速明日、本屋さんで料理の本を買おう、なんて考えてる。
あんたの為ならどんな努力も惜しまない。
あんたに美味しいと言ってもらえるなら、どんな難しい料理だって完璧に作れるように練習する。
隆介の為なら、どんなことでもできちゃうんだから…
それが恋の魔法。
ねぇ、どうしたら隆介の心の傷を癒せる?
美味しい料理?
優しいキス?
穏やかな幸せ?
臆病な私は
臆病なあんたに、まだ『好き』って言う勇気が出ないんだ。
『好き』と言った瞬間に パッ…って
魔法が解けちゃうような気がして怖いんだ。