LAST-LIFE
半年ほどが過ぎた。
冬も終わりである。

あれから二週ほど後、香は嫁に行った。
もう、ここには来ないだろう。

相変わらず子供は遊び、堪蔵はそれを笑顔で見ている。

香を失った喪失感も、今では無くなった。

しかし、その間に父が亡くなったという知らせを受けた。

さすがに堪えた。
しかし、瞑想で心を落ち着かせてきた。


雪が白かった。

人の魂にも白を感じた。

「人がこの世から抜ければ空白かな。」

ため息が白かった。
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