LAST-LIFE
入り組む運命

現代:京都

「どうも、住職の兼庵です。」
「こ、こんにちは。」

耕助と祖母は京都へ来ていた。

『小せぇ寺だな。』

「さて・・・堪蔵についてでしたか。」
「な、なんでそれを!?」
「仏の見習いですから。」

兼庵はやさしい笑顔。
耕助は仏教に東洋の神秘を感じた。

「ホントはお婆さんに電話で用件を言われただけなんですけどね。」
「は、はぁ。」
「では、お話しましょう。」

兼庵は引き出しから一冊の本をだした。

「この寺に入った僧侶です。堪蔵は・・・ありましたね。」

兼庵は堪蔵という名が書かれているところを指差した。

「私が調べたところによりますと、堪蔵は帝の生まれで、将来を嘱望されていたようです。しかし、二十代前半、突然出家すると言ってここに来たようです。」

「天皇家・・・。」
「また、一般民衆の娘を嫁に貰ったそうですが、子供は生まれなかったそうです。」
「いつ頃亡くなるんですか?」
「三十歳くらいですかね。火事で亡くなったとされていますが、刀で斬られたあとがあったそうです。」
「刀・・・。」

悪魔のような男の顔が浮かんだ。
鳥肌が立っていた。
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