LAST-LIFE
入れ替わる魂

昔:耕助

堪蔵はいつもの寝床で目覚めた。
白い世界にいたのは夢だったようだろうか。

「ここ・・・どこだろう?」

呟いたのは堪蔵だが、魂は耕助である。
なぜこんなところにいるのかわからなかった。

「堪蔵・・・さん?」

香が堪蔵を不思議そうに見た。

「いや、何でもないよ。」

不思議だった。
今初めて会った人を香だと認識できた。


やがて、香が作った朝食を食べる二人。

『この人がお香さん・・・。新婚なんだな。』

『・・・ってなんでそんなことわかるんだよ!』

多少挙動不審な堪蔵に香が不思議そうな眼差しを向ける。

香の視線に気付いた堪蔵は落ち着いた振りをした。

やがて、朝食を食べ終えて立ち上がる。

「か、堪蔵さん?」
「少し、瞑想を。」
「そうですか・・・。」

堪蔵は部屋を出ていく。
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