LAST-LIFE
「単刀直入に申し上げます。――皇居にお戻りください。」
「なぜだ?」
「堪蔵様を帝にするためにあります。」
「私は帝にはならない。何度言えば解するつもりだ。」
「しかし、国の一大事と存じ上げます。」
「総鶴がおるではないか。奴ならば国を収める智も器もあるではないか。」
「総鶴様は帝の器の御方にありません。」
「私も器ではない。」
突き放そうとする耕助。
「堪蔵様の周りにいた人間は皆、堪蔵様を菩薩と思っております・・・。多くの者が堪蔵様の政を欲しております!」
「私はまだ菩薩の域には足を踏み入れておらん。・・・総鶴ならば佳い政をしてくれるだろう。」
「ですが・・・!」
「帰ってくれ。」
「・・・。」
黙って立ち上がり、出ていく島村。
「すまぬな。・・・今度、友人としてきてくれ。茶でも飲もう。」
島村は堪蔵に頭を深々と下げ、寺を去った。
「なぜだ?」
「堪蔵様を帝にするためにあります。」
「私は帝にはならない。何度言えば解するつもりだ。」
「しかし、国の一大事と存じ上げます。」
「総鶴がおるではないか。奴ならば国を収める智も器もあるではないか。」
「総鶴様は帝の器の御方にありません。」
「私も器ではない。」
突き放そうとする耕助。
「堪蔵様の周りにいた人間は皆、堪蔵様を菩薩と思っております・・・。多くの者が堪蔵様の政を欲しております!」
「私はまだ菩薩の域には足を踏み入れておらん。・・・総鶴ならば佳い政をしてくれるだろう。」
「ですが・・・!」
「帰ってくれ。」
「・・・。」
黙って立ち上がり、出ていく島村。
「すまぬな。・・・今度、友人としてきてくれ。茶でも飲もう。」
島村は堪蔵に頭を深々と下げ、寺を去った。