LAST-LIFE
『暑い・・・。』

耕助が目を開くと周りが真っ赤に燃えていた。

「うわっ!」
必死で火を消そうとするが意味をなさない。

10メートルくらい向こうの門から誰かが来る。

『誰・・・?っていうか門?・・・夢かっ!』

今おかれている状況が夢の中だと判断した耕助は少し安心した。

近付いてくる人の顔が見えてくる。
スカートのようなものを履いている。

『女?』

しかし、耕助は見間違いであるとすぐにわかった。

その人は右手に何か長いものを持っている。
それが何であるかわかるのに時間は掛からなかった。
5メートル程に近付いた瞬間、その人は耕助に向かって走りだした。
既に相手を鮮明に見ることができる。

その頭には髷が結ってあった。

「ちょ、ちょんまげ!?」

男は耕助のみぞおちを強く殴った。
そしてうずくまる耕助を上から見下ろす。
今まで無表情だった顔が崩れ、にたりと笑う。

男は口を開く。
「堪蔵、終わりだ。」
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