LAST-LIFE
勘蔵はやっと口を開く。

「私の・・・以前の側近や友人達です。」
「・・・側近?」
「私は―…‥帝の家柄に生まれました。出家僧になり、ここにきました。」
「今、家と繋がりは?」
「ありません。」
「じゃあなぜその頃の方々が?」
「それは―…‥・・・言えません。」

急に勘蔵は黙る。
その様子を見て香が口を開く。

「私は貴方の妻です。貴方を知る必要があります。」
「・・・出ていってくれ。」
「え?」

空気が鉄のように、重く、かたくなった。

< 57 / 69 >

この作品をシェア

pagetop