COLORS【白】W ─ダブル─
……夏休みも目前に控えていたあの日。
「桜~ぁ!先に行くよ!」
衣替えを終えた制服は夏服に変わり、心なしか身も軽く感じる。
「あ~っ!ちょっと待って~!」
慌ただしくて戦場にも似た朝の光景。
どこの家でも繰り広げられている当たり前の日課とも言えよう。
私の名前は黒咲桃(くろさきもも)、平泉高等学校の三年生。
「早く~!遅刻しちゃう!」
「お待たせ!」
で、こっちが姉の黒咲桜(くろさきさくら)。もちろん同じ高校に通っている。
まぁ、姉と言っても私たちは双子なんだけど。
人からはよく「桃ちゃんがお姉さん?」と聞かれる。何でも私の方がしっかり者に見えるんだって。
妹の立場としては嫌な気分はしないけど、複雑だなぁ。
初めは所詮、他人の言うことだし……な〜んて気にも留めていなかったけれど、最近はその意味が少しずつ理解できるようになったんだよね。
「桜~ぁ!先に行くよ!」
衣替えを終えた制服は夏服に変わり、心なしか身も軽く感じる。
「あ~っ!ちょっと待って~!」
慌ただしくて戦場にも似た朝の光景。
どこの家でも繰り広げられている当たり前の日課とも言えよう。
私の名前は黒咲桃(くろさきもも)、平泉高等学校の三年生。
「早く~!遅刻しちゃう!」
「お待たせ!」
で、こっちが姉の黒咲桜(くろさきさくら)。もちろん同じ高校に通っている。
まぁ、姉と言っても私たちは双子なんだけど。
人からはよく「桃ちゃんがお姉さん?」と聞かれる。何でも私の方がしっかり者に見えるんだって。
妹の立場としては嫌な気分はしないけど、複雑だなぁ。
初めは所詮、他人の言うことだし……な〜んて気にも留めていなかったけれど、最近はその意味が少しずつ理解できるようになったんだよね。