COLORS【白】W ─ダブル─
告白
結局、その後の授業はいつも以上に頭に入らなかった。
私の耳が確かならば──、
あの時穂稀は……。
『一緒に登校できると思ったのにな』
でも別に「好きだ」って言われたわけじゃないし!
気にすることないのよ!うん。
私にとって穂稀はただの幼なじみ。
それだけなんだから。
「どうしたの?」
桜が私の顔を心配そうに覗き込んでいる。
放課後、美術部の活動のため私たちは美術室にいることに気づきハッとなる。
「な、何でもないよ……アハハ」
聞けるチャンスはいくらでもあったのに彼に問う勇気がなかった。
「ところで夏のコンクールに出品する絵は進んでる?」
このコンクールは毎年恒例で最優秀賞に選ばれると三ヶ月間、パリへ絵の勉強に無償で行けるんだ。
「まぁ、ぼちぼちかなぁ」
「今年で参加できるのも最後か……入賞できるといいね」
「私なんかダメダメ。最優秀賞候補のあんたとは違うって」
「そんなことない!私、桃の絵好きよ」
えっ……。
「ありがと」
桜は去年は優秀賞だった。そんな人に誉められたってことは、少しだけ自信を持ってもいいのかなぁ……。
私の耳が確かならば──、
あの時穂稀は……。
『一緒に登校できると思ったのにな』
でも別に「好きだ」って言われたわけじゃないし!
気にすることないのよ!うん。
私にとって穂稀はただの幼なじみ。
それだけなんだから。
「どうしたの?」
桜が私の顔を心配そうに覗き込んでいる。
放課後、美術部の活動のため私たちは美術室にいることに気づきハッとなる。
「な、何でもないよ……アハハ」
聞けるチャンスはいくらでもあったのに彼に問う勇気がなかった。
「ところで夏のコンクールに出品する絵は進んでる?」
このコンクールは毎年恒例で最優秀賞に選ばれると三ヶ月間、パリへ絵の勉強に無償で行けるんだ。
「まぁ、ぼちぼちかなぁ」
「今年で参加できるのも最後か……入賞できるといいね」
「私なんかダメダメ。最優秀賞候補のあんたとは違うって」
「そんなことない!私、桃の絵好きよ」
えっ……。
「ありがと」
桜は去年は優秀賞だった。そんな人に誉められたってことは、少しだけ自信を持ってもいいのかなぁ……。