先生は女子高生!?
3.
「あー!!」

「あー!!」

 お互い、指を指し合う。

「聞いちゃったもんねー。

 俺と付き合うんだな。」

「あっ…、ああ…。」

 し、しまったわ。

 何たる失態!!

 俊がニコニコしながら近づいてくる。

「よろしくね。

 白木杏奈さん。」

「…」

「そんな嫌な顔すんなよ。」

「だって…。」

 そう言って俊の顔を見たとき、私はハッとした。

 本当に、本当に切ない顔をしていた。

 本当に、本当に嬉しそうな顔をしていた。

 複雑な表情なのに、きっちりと読み取れた。

「…ごめん。」

 あやまる俊。

「いや、あやまらなくても。」

「でも。」

 顔を上げる俊。

「俺、本当に大切にするから。」

 真剣な瞳。

 一瞬、信じてもいいかもって思った。

「…うん。」

 大きくうなずく私。

 柔らかい笑顔を私に向ける俊。

「ではでは、付き合った記念として。」

「?」

 俊の前髪が、私のおでこに触れて…。

「!!」

「♪」

 にっこりと笑う俊。

 キ、キスされた――!?

「よろしく、よろしく♪」

 私の右手を力強く握る俊。

 どこが誠実だ、この童顔男――!!
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