愛のしるし~LOVE♥EVER~
なんなんだよ、急に…。

めんどくせぇ…。


「なんですか? そんな事言いに来たんですか?」


だったら出てってくれよ…。


「てめぇッ…。」


立ち上がり俺の胸倉を掴み、殴ろうとしてくる、詩乃の兄貴。


「ッ…。」


殴られるかと思った。
殴られるのは、慣れてるわけではないけど…別に平気。


「怖気づいたんですか?」

「…んなんじゃねぇ。」


詩乃の兄貴は手を放すと、ベッドに座り直し、溜息を吐いた。


「俺の名前は、龍也(リュウヤ)だ。」

「あ…俺、板垣 竣。」


どういうわけか、詩乃の兄貴、龍也はいきなりおとなしくなった。


「…。」

「何しに来たんですか。」

「俺は、今23だ。」


年の話かよ。
つか、マジで何がしたいんだ?


「大学には行ってねぇ。」


見りゃなんとなく分かる。


「俺は、ヤクザ…の団員だ。」

「で…?」


マジ、分かるから、なんとなく。


「詩乃は…俺の事、何か言ってたか?」


そう言う彼の顔は寂しげだった。


「いえ、別に。」

「そうか…。」
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