愛のしるし~LOVE♥EVER~


「はぁッ…雅樹! 朱音は!?」

「ここら辺のはずだ…! クソっ、人多すぎんだよ!」

「あそこか…!?」


竣が指さす先にあったのは、公衆トイレ。


「近くに○○もあるし…あそこだ!」


私たち3人は、公衆トイレに向かった。


「朱音ぇーッ!!!」


思わず、公衆トイレの入り口で叫んだ。


中からは、声が全くしなかった。


「いない…のかしら…?」

「クソッ…ここのはず…!」

「雅樹!」

「なんだよ、詩乃。」

「ケータイ! 鳴らしてみて!?」

「おっ、おう!」


雅樹が朱音のケータイに掛けると、朱音の着メロの音がした。


「絶対…ここにいる!」

「探すぞ!」


とにかく必死で探した。


「朱音ッ!」

「ッ…詩…乃…?」

「朱音ッ!! 大丈夫!? 何もされてない!?」

「うん…大丈夫…。」


朱音がいたのは、女子トイレの個室の1つ。
ドアは引くタイプだったからなかなか気付かなかったけど…。

見つかった朱音は、弱っているように見えた。


「朱音…?」

「アイツら、雅樹のメール見たら…焦って逃げてったよ…。
情けないよね、男のくせに…。」

「本当に、それだけ!?」

「逃げて行く時、アイツら、私の事殴って気絶させてったんだよ…。」
< 161 / 292 >

この作品をシェア

pagetop