愛のしるし~LOVE♥EVER~
*竣 side*


「ねぇ、竣クン! 今日泊ってもいいかなぁ?」


夕飯を作りながらそう俺に尋ねる女。


「はぁ? 何言ってんの、柚木女…。」


そう、台所に立つのは詩乃じゃなくて柚木女。

なんでかと言うと、今日遅くなるからという詩乃を送り出した俺は、テレビを見てた。
そしたら…まぁ、この女が来たわけだ。


ハッキリ言って迷惑。

追い出そうと思ったけど、兄貴が家に入れてくれないとか言いだしやがった。


なんでか聞くと、お取り込み中らしい。


「だって萌亜、家に入れないんだもん。」

「ふざけんな。 他当たれ。」

「えぇ~! でも萌亜、知り合いいないもん…。
竣クン、萌亜に野宿しろってゆーの!?」

「そう言うわけじゃねぇけど…。」

「じゃぁ、今日萌亜泊っちゃうね!」


めんどくせぇ女。


「詩乃に聞いてからにしろよ。」

「えぇ~! あ、お兄ちゃんに連絡しとく!」


と言って電話を始めた柚木女。


「あっ、お兄ちゃん?! 今日、竣クンの部屋に泊っていい???」


いいとか言うなよ…藍…。


「いい!? ヤッタァ♪
あ…え…? そうなの!? 分かったぁ~! じゃぁね~!」

「…で、泊んのかよ。」

「うん!」

「詩乃に連絡すっか…。」


仕方ねぇ…。


「あ、詩乃なら大丈夫だよ!」

「は…?」


なんでコイツが…?


「詩乃は、お兄ちゃんといるから!」
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