愛のしるし~LOVE♥EVER~
…何よ…この状況…。


たった数分前まで2人で笑っていたのに…。


「ふ…ふふ…。お父様もお母様も…一体なんのサプライズ?

「サプライズ?」

「…そうでしょ? ねぇ、お父様、お母様。」


私はその場から一歩も動けずにいた。


「何の話? サプライズなわけないでしょう?」



…やっぱり、現実…?


-コンコンッ


「失礼します。」


部屋に入って来たのはキレイな女の人。


「君は誰だね?」

「私、上原 保志(ウエハラ ホシ)でございます。」

「あぁ、龍也の彼女の…。」

「はい。本日はお招きいただき、ありがとうございます。」


…お兄ちゃんの…彼女?


「あ…そちらは…。」


女の人…保志サンが顔をあげ、私の方を向いた。


「私たちの娘の詩乃ですわ。」

「…初めまして、上原 保志です。
あなたのお兄様…龍也サンとお付き合いさせて頂いてますわ。」

「…初めまして。」


キレイな女の人…。
でも、なんだか…怖い。

とてもキレイな黒い瞳の奥に…闇を感じる…。


「詩乃、もうお部屋へ行きなさい。」

「…はい。」


例え言いたい事があろうとも、お客様の前ではしたない事は禁物。

昔から教え続けられてきた事。


-パタンッ

部屋を出ると、一気に力が抜ける。
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