眩しい君
第一章
「晴斗」と「ハル」
──
重苦しい雨が降る。
傘も差さず、覚束無い足取りでふらふらと夜の街を歩く。
制服姿の俺を、周りの人達が怪訝そうな表情で見る。
仕方ねぇよな。
学ラン姿のガキが、夜中にこんなとこ居んだから。
自虐的に笑うが、笑顔を作ることは出来なかった。
…………どういうつもりだよ。
俺をこんな目に遭わせて。
何がしたいんだよ………!
俺を置いて出て行った母親を俺は憎んだ。
憎んで憎んで、どうしようも無くなってマンションを飛び出した。
………もう、あのマンションも必要ねぇか。
俺は、戻る気はさらさら無い。
「………っ!」
足元がふらついて、地面に手をついた。
もう駄目だ……。
地面に仰向けに寝ると、真っ暗な夜空から降る雨が俺を地面に押さえつけるように激しく降った。
俺………このままどうなんのかな…………。
死ぬのか、なんて思いながら、俺はゆっくりと目を閉じて意識を失った───。
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