眩しい君
「ハル」と「はる」
──
あれから8年。
俺は24になり、まだひろさんの店で働いていた。
ひろさんの喫茶店は人気で、朝も昼も夜も繁盛していた。
あの頃から大人になった俺は、もう親父も母親も忘れて、ただ毎日を淡々と過ごしていた。
「ハル、お前明日も夜番な」
「またっすか」
「良いじゃねぇか。お前、雰囲気『夜の男』って感じだぞ」
「いや関係ねぇし」
「………あの頃から、随分格好良くなったなハル」
ひろさんは昔を懐かしむように目を細めた。
あれから、身長もだいぶ伸びた。
昔を忘れようと、俺は黒い髪を茶色に染め、髪型も変えた。
……少しは、変われたかな。
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