眩しい君










「………今は、ここで働いているんだ」

「ああ」

「うん。晴斗の雰囲気に合ってる」



絢乃は笑いながら言う。

………そうなのか?







「………今、誰と住んでんの」

「…………三人。旦那の啓介と、はる」

「……そうか」

「………啓介がね、最近変なの」


絢乃はぽつりぽつりと話し始めた。




最初は優しかったのに、近頃は酷く荒れているらしく顔を合わせれば口喧嘩が始まり、そして物に当たる。

終いには、二人お揃いで買った大事なマグカップをこの間は割ったらしい。



そんな状況ではるを育てるのは難しく、そしてはるにも良くないと判断した絢乃ははるを連れて友達の家に転がり込んだ。


そして、また別の友達の元へと行こうとした時に会ったのが、俺だった。


あのマンションに居たのは、友達の家から出て行く時だったらしい。









「……本当は、こんなのいけないって分かってる。でも………あの人が、怖いの。啓介が、いつか私達に手を出すんじゃないかって……!」



絢乃はまた涙を流しながら言った。






俺はかける言葉も見つからず、ただ黙って絢乃を見つめていた。










「………晴斗、お願いがあるの」

「……何だ」





絢乃は顔を歪め、それでも、決意の見られる目を俺に向けた。

















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