王子様とプリンセス☆★
一瞬出るのに躊躇ったけど、着信音が切れそうだったから急いで出た。
「…もしもし……」
「お~……愛…?おはよ…。」
「…うん。何?」
「……今、準備出来てる?」
「うん。後は家出るだけだよ?」
「……じゃ。今すぐ外出て……俺待ってるから。……でわばいばい……」
「え!?ちょ、優!?っ」
もぅ切れてるし……
つまり何?
優が外で待ってるって事?。
あんな眠そうな声で?
「…………。」
健人。
朝、一緒に行きたかったな…。
「……出よ」
ぐだぐだ言ってても。健人が来るわけがないから急いで家を出る。
……優を待たせるわけにはいかないし。
――ガチャ……。
「いってき……ま、す……っ!!?。」
――グイッ……―。
外に出たとたん。あたしは誰かに引っ張られた。
引っ張られた先には、あたしの大好きな人。
あたしを照らしてくれる光。
「……愛…!!」
今。会いたいと願っていた人。
「……た、け…とぉ…!」
大切な大切な。温かい健人の腕の中だった。