Last Wing
あぁ、君もなんだね。
少年の瞳が戸惑うように揺れる。
「なんだよ…っ、その瞳!」
あたし、も、そうだったよ。
空に“捨てられた”時、信じられなくて、信じたくなくて
叫んだ。声が枯れるほど叫んだ。
だからかもしれないね、
あたしが翼をもがれたのは。
雨
飛んだ赤い傘
鳴り響くサイレン
冷たい身体
赤、赤、赤
今でも忘れはしないあの光景。
忘れないよ、
だって約束したから。
『忘れないで』
そう、約束したから。