Last Wing
《熱い、よ。なんで?なんで熱いの》
「ははっ、俺に聞くなよー。あんだけ、ぶちギレたからじゃねえの?」
……そうなんだ。
「ありがとな、美音」
その言葉に泣きそうになって、俯く。
目をぎゅっ、と瞑らなければ零れ落ちそうな涙をぐっ、と堪える。
がたっ、と音がしてあたしの足下に影がかかる。
……え?
「美音」
顔を上げると、松葉杖に支えられながらだけれど、自分の足で立つ祐樹の姿
「美音」