Last Wing
「美音、質わりー!」
真っ赤になる顔を手で隠す。
《質悪い?どうして?》
少し傷ついた表情を見せられると、一気に焦り出す俺の単純な心。
「美音が、悪いわけじゃねえからな!」
《どっち》
ふふっ、と綺麗に笑う美音に見惚れる俺は相当末期だ。
《早く。松葉杖の練習中にこんなに休んでたら意味ないでしょう》
「おう!」
車椅子から本格的に松葉杖へと移行した俺はリハビリの毎日。
「美音ちゃーん」
ひとりの看護師が美音に走り寄る。
そして、一枚の封筒を差し出した。
「お手紙よ」