Last Wing
「まったく!病室に行ったら居ないんだもの!」
病室へ戻る間、ぐちぐちいわれ続けた。
「…………」
今の俺は、誰かが居ないと動けないなんて認めたくなくて。
一人で一時間もかけて屋上へ行った。
エレベーターまで行くのにどれだけ体力を消耗したんだよ、俺。
慣れないことにはサッカーで鍛えてきた体力も意味ねぇんだ、と改めて思った。
「空が…見たかったんすよ」
俺の戻るべき場所へと宣戦布告しに行った。
「そういえば彼女と仲良くなったの?」
看護婦が言う彼女が誰かすぐにわかった。