Last Wing
「美音、元気っすか」
「瀬那くんが居るからね。さっきもイタリアの本を一緒に読んでたわよ」
ちくり、と心臓が痛む。
瀬那と美音。
きっと二人の間には知らないことなんてないんだ。
「瀬那、って美音の何なんですか」
美音にとって、瀬那って
瀬那にとって、美音って
どんな存在なんですか。
「最初、会ったときは幼馴染みだって紹介されたけど。きっと、美音ちゃんにとって瀬那くんは自分の一部なんでしょうね」
誰もが割り込むことなどできない絆