Last Wing
「瀬那っ!」
「………お前」
美音の病室の前で待ち伏せし、瀬那を捕まえる。
一瞬、ちらりと瀬那の背後の病室のドアを見つめた。
この薄いドアの向こうに美音が居るんだ。
会いたい、だなんて今の俺にはそんな資格はない。
美音のことを知ったつもりでいた、そんな俺にはない。
だからこそ。
ちゃんと美音に会えるように。
美音と向き合えるように。
知りたいんだ
分かりたいんだ
「美音のこと、教えてくれ」
美音のこと、分かりたいんだよ