Last Wing
泣き顔は見せたくないだろうから、後ろから抱いて足の間に美音を座らせてベッドに上がる。
「……どうしても話したくないなら、俺は無理強いはしないから」
美音の意志で
決めてほしい
美音の手に握られたトークノートに震えた文字が刻まれる。
《……話したい……話さなきゃ…いけないもの。……祐樹…に。…だけど……恐い》
震えだす美音を再び強く抱き締めた。
「大丈夫、美音。泣きたいときは俺が、後ろから抱き締めてやるから泣いて?一人で泣くな。
俺が美音の苦しみや辛さ、吸いとってやる」
だから一人で怖がらないで。
一人で泣かないで。
俺はここにいるよ