Last Wing
『貴方は歌ってればいいのよ!』
大人たちはいつもあたしの声を商品扱いしてた。
あたしは幸せだから、歌って、いた、の、に。
『こんな大事な時に咳!?自覚あるの!?』
風邪ひいたりしたら何回も殴られたよ
『あのこには、かけられるだけの保険を……』
あたしの声に保険がかかってることだって知ってた
親もまわりの大人たちも一度だってあたしを“笠置美音”って人間としてみたことなんてないよ
『貴方は歌って笑ってればそれでいいの。人形でいればいいのよ』
ずっとあたしはあの人たちの商品なの、