Last Wing
俺は車椅子で詰め寄る。
「俺の足と違ってお前のはすぐ治んじゃねぇかよ。お前の方がよっぽど楽…」
次々に吐き出す残酷な言葉。
だけど顔色ひとつ変えないあいつが妙に腹立たしくて睨み付ける。
「なんか言ったらどうだよ、」
あいつは紙を取り出し、ペンを走らせた。
そしてその紙を俺の車椅子の机に起き、静かに屋上を出ていった。
紙にはただ一言。
真っ白な紙に並ぶ黒い八個の文字
“か わ い そ う な ひ と”
その言葉が深く俺の心を抉る。
声にならない嗚咽が屋上に響き渡った。